海の色

道の向こうに海が見える

天気がよかったせいか、魚フライは頭に浮かばなかった

海の色が夏だった。タンカーがゆっくりと南下していた。この海ではあまりタンカーは見かけない

どこからかサーファーガールがあらわれた。あんたのビーサン、足になじみすぎ

家に帰り、ホームページ作りの続き。コーヒーの抽出時間を計るストップウォッチが動かなくなったというので、電池を探して引き出しの中を漁ったが、なかった。買いに行くのも面倒なので天体観測用コンパスの電池を流用。このストップウォッチ、15年使っている

山手のドルフィン、じゃないけれど

車の法定点検に行くため、朝のコーヒーを半分しか飲まずに家を出た。コーヒーが熱かったせいで。

ディーラーは家からちょっと離れた海沿いにある。10時に予約したのだけど、5分くらい早く着いた。まだ朝礼中だった。テーブルでオレンジジュースを飲みながらタウン誌をめくっていると、食事処を紹介する記事の中に、海が見える眺望のいいテラスを写した写真があった

今日はそこで昼食にしよう、と思い、点検の終わった車のナビに、メモした住所を打ち込んだ。ナビのお姉さんの声に従って走っていくと、やがて遠くに海が見える、見晴らしのいいレストランに到着した

気分はオートマチック

昨夜は遅くまで起きていた。遊びではなく、たぶん仕事で。つまり、パソコンに向かい、店のホームページを新たに作っていた。言うまでもなく暗い仕事だ。気が付くと時計は午前2時を回っていた

9時まで寝るつもりだったが、こういう時に限って、早く目が覚める。どこかで飯を食おう、ということになったが、どこで食べるか考えるのが億劫だったので、いつものように漁港近くの寿司屋に行き、いつものおねえさんに、いつものやつを二つ、と言った。すると、上寿司ですね? と言われた。上寿司なんて年に一度も注文しないのに。もちろん、持ってきたのはいつもの安い方の寿司だった。今日はキビナゴが載ったのがあって、なんだか笑えた

帰りに、海に寄ってみた。何も考えないで行動すると、だいたい、このパターンになる。頭が働かないのは、ほとんど寝てないせいだ。と思う

海からいい風が吹いていた。ぼくが詩人だったら、なにか一つ浮かんだだろうに

いつものところで、安いソフトクリームを食べた。安いけどとてもうまい。ぼくの人生もそんな感じだ

とけないアイスクリーム

iPodの調子が悪くなったので初期化することにした。ブルートゥースでカーオーディオにつないで使っているのだけど、最近、頻繁に途切れる。そろそろ寿命なんだろうと思ったが、新しいのを買う前に初期化してみることにした

初期化終了後、以前の設定を読み込ませるか聞いてきたが、それはせず、一から設定し直すことにした。Windowsで言うところのクリーンインストール。Windowsはレジストリが肥大してくると不具合が出やすくなる。iOSではどうなんだろう

工場出荷状態に戻ったiPodの調子を見るために、雨の中ドライブに出かけた。およよ、ぜんぜん途切れないじゃん。やったぜベイビー!(古すぎるぜ)

昼食は港町近くの店でマグロラーメンにした。ラーメンを食べていると小田和正の歌声が流れてきた。初めて聞く新しい曲だった。この人の歌は年をとっても変わらない

先日、イエーツの詩集を読んでいて、その解説に、イエーツの詩はワーズワースなどと比べ、年をとっても衰えがない、みたいなことが述べられていて、その理由を、イエーツは醒めることのない女性への熱い思いを詩に織り込んでいるからだと説明していた

一部の男たちは、自分の中にある永遠の女性像を目の前の女性に投影してそれを追いかける。でもそれは幻だから、追っても追っても逃げ水のように遠ざかってしまう。ユングの言うアニマだ

本人は幻だとは思っていないから、死ぬまでそれを追い続ける。年をとっても人の心を打つ切実な詩が書けるのはそのせいだ。かも

なんとなく魚フライ

朝起きると時計は9時を回っていた。昨夜は遅くまで部屋の掃除をしていた。窓を開けたまま出かけたら、あの火山から飛んできた灰色の粉が部屋中に積もっていた。ぼくは黙々と掃除機をかけ、ぞうきんを何度も洗いながら灰色の粉をふき取った。ぼくはその日のエネルギーを使い切って眠った。朝起きると時計は9時を回っていた。家には誰もいなかった。キッチンには熱いコーヒーが入ったポットもなかった。空は暗い灰色で風が強かった。昼食は何にしよう

あの島になにがあるの

私が止めても、あなたは行ってしまうのね。そうよ、あなたはそういう人だもの。あの島に何があるというの

多くの人が渡って行く。思いつめた表情で。ぼくは靴に砂が入るといやなので行かなかった

あの島の近くの植物園に行ってみた。植物園に何があるというの

雨の季節を演出する舞台装置はほぼ出そろった様子。葉っぱの裏にはカタツムリが待機していた

眩く咲き誇っていた黄色い花は不気味な枝豆に変身していた


ランチは怪獣池近くのイタリアレストランで。ここはいつも満員

a long vacation 3日目

朝早く起きてしまったので、カメラを持ってバラ園に出かけた。

朝のバラ園は静かだ。もしかすると、麦わらをかぶった髪の長い女性とすれ違うかもしれない。

麦わらの髪の長い女性はいなかったが、ウォーキング中の元気なオバさんに声をかけられた。

彼女は昔、麦わらをかぶった髪の長い女性だったかもしれない。

時計は7時半をまわった。人が増え始めた

そろそろ帰って、熱いコーヒーを飲むことにしよう

うちに帰ってコーヒーを飲み、本を開く。

どこかで食事にしよう、ということで、海の方に車を走らせた

どこの食堂も行列ができていて、2時を過ぎていたのに30分待たされた

なんとなくエビフライ

エビフライは魚フライの代わりになれない。あの子が君の代わりになれないようにね。そう、エビフライと魚フライはまるで違う物なのだ。なぜなら、魚フライを食べたいときのぼくとエビフライを食べたい時のぼくは同じ人間とは思えないくらい違う。そんなことをブツブツ考えているうちに車はいつもの漁港近くの食堂に到着した。安い方のスシを食べるつもりだったが、となりのテーブルのオバさんたちが食べているエビフライがとてもうまそうだったのでそれにした

帰りに漁港近くの魚屋に寄った。この前までスーパーだったのだが、オーナーが変わり、鮮魚とツケアゲの店になったという。新鮮なサメが入ったというので、それを4匹買ってみた。今夜の夕食はフカヒレだ!というのは冗談です。このサメはすり身にしてツケアゲにするとのこと

海に続く細い道。なんだか不安な気分になる松林

定点観測的写真。ぼくはこの看板を10年以上撮り続けている。ような気がする

海。めずらしく人が多い

宇宙の彼方へ

たまには父を誘ってウナギでも食べに行こう、と思い、声をかけたが、「最近外に出るのが億劫になってなー、また今度」と、いうことだったのでコーヒーをポットに詰め、ヨッパライ某をとなりにのせて車を走らせた

いつもの店に行ってみたが、どのテーブルも人生の大先輩たちに占められ、すでに異次元の揺らぎがあちこちに表れていた。次元の境界に生じる不安定な揺らぎはぼくの繊細な神経にダメージを及ぼす。ぼくは順番待ちリストから自分の名前を消し、店を後にした

初めての店の玄関でメニューを眺めているとウエイトレスがやってきて、どうぞどうぞ、と笑顔で中に招き入れた。広い店内は誰もいなかった。ぼくは不安になった。海の見える窓際の席に座り、ぼくは焼き魚定食、ヨッパライ某はナントカという変な名前の定食を注文した。運ばれてきた焼き魚は値段の割に小さく、ぼくの不安は的中したかにみえた。しかし食べてみるとこれが予想外にうまく、値段相応以上だった

Purple Rain 5

ドアを開けると晴れていた。海に行って波打際をどこまでも歩きたい気分だった。でも、あの花の匂いを嗅ぎたい、というリクエストがあったので、山の奥へと車を走らせた。海はいつだって行ける。でも花は枯れてしまう

甘い匂いが立ち込めていて胸が痛くなるほどだった。匂いが遠い過去の記憶を呼び起こすことがある。しかし、このファンタグレープみたいな匂いは、不思議と何も思い出させなかった

八重咲の藤。ブドウみたい

昼食は東洋のナイアガラで安いウナギを食べることにした

帰りに山の上の湖に寄ってみた

大衆食堂